つなぐ納棺です。
先日、とあるメイクをされている企業様より、エンゼルメイクの指導をしてほしいというご依頼を頂きました。
多分、ランダムに依頼されているものだとは思うのですが、それを機にいろいろ考えてみました。
先日も、納棺師に必要なスキルの所で、メイクアップアーティストさんは、メイクの部分では、クリアされているという事を書いたように思います。
なので、メイクをお仕事にしておられる方は、おそらく、依頼者様の気持ちを汲むこともしているし、想いを形にされることもしておられるので、ラストメイク(エンゼルメイク)という部分では、すぐにお仕事にできるのではないかな?と思います。
ただ、もし、私がそういう方に何かをお伝えする機会があるとしたら、
綺麗に仕上げることがゴールではないこと。
今までのイメージを覆してまで、美しさを求めないことが多いこと。
時には、メイクをしないという決断もあるという事。
そういう事くらいかもしれません。
死化粧とは、もちろん、美しさを求める方もおられますが、多くの場合が、ご生前のお姿により近いことを望まれます。
最後くらいは派手に。というご遺族様もおられますので、そういう場合にはご対応は致しますが、大概、いつもの雰囲気に戻してくださいと言われることが多いです。
なので、美しく仕上げることや、美しさを演出するようなメイクではないことが多いです。
知識や技術があると、どうしても、すべての技術をそこに出してしまいたくなることも多いですが、それを使わずに、控えめであることに技術を使う。そういうことが難しくなってくることもあります。
もっときれいにできたのに。
もっと似合う色があるのに。
もっと華やかにできたのに。
こういう想いよりも、
何よりも優先するのは、ご遺族様の想いなのです。
納棺師の中で多いクレームの一つは、メイクが思っていた仕上がりではない。派手すぎる。濃すぎる。という事が挙げられると思います。
私も、会社にいるときは、そういう対応でお叱りを受けておられる場面を垣間見たこともありますし、他の施行員の手直しに走ったことも何度もあります。
死化粧は、自分の腕や技術を自慢する場所ではない。
そのことは、絶対にお伝えしないといけないことの一つかもしれません。
何かの参考になれば幸いです。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。
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