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湯灌と古式湯灌

私達のようにこの世界でお仕事をしているものにとっては、今や当たり前のように出てくる


『湯灌』『古式湯灌』という言葉。



今日は、私達納棺師が行う、湯灌や古式湯灌の存在ってどういうものなんだろう?という事を少し書いてみたいと思います。



そもそも、納棺師とはなんぞや?


納棺師(のうかんし)は、死者を棺に納めるために必要な作業と関連商品の販売を行う職業人である。映画『おくりびと』でその存在が世間に知られることとなり、納棺師に対する興味と職業としての納棺師、産業としての納棺が知られた。呼称は他に湯灌師、復元納棺師と決まった規定はない。 主に葬儀社からの依頼で火葬までの遺体の状態を管理しつつ、遺族や参列者等が故人と対面できる様に遺体の見栄えを整える。具体的には、ドライアイス等で内臓や体全体を冷やし腐敗の進行を抑えたり、表情を整え臭いを抑える含み綿、経帷子等の衣装に着替えさせ顔剃りや化粧をする。変死体の場合は死因に沿って遺族にショックを和らげるような処置をする。

Wikipediaより引用)



納棺師については、もっくんのおくりびとで世に知られることとなったので、なんとなく印象はわかってもらえているかと感じています。




では、湯灌や、古式湯灌についてはどうでしょうか?



『湯灌』とは


主に、浴槽を使って、故人様のお体に負担がないように気を払いながら、シャワーを使って、ご洗体・ご洗髪をさせていただくものを示しています。


実際にお湯を使うので、長くお風呂に入れずにお亡くなりになられた方などには、とても喜んでいただける儀式です。



私自身が湯灌の会社に勤めていた際には、全国の支店で上がってくるクレームが毎日全支社に報告があるのですが、


そこでよく見かけたクレームには、


「故人をさらされている気分になった」

「肌が見えて不快だった」

「体の状態に影響がないか心配だった」

「立ち合いを強要された」


という声を見かけることがありました。


もちろん、施行員の技術やご対応の仕方も問題があったのかもしれませんが、このように感じられることも状況によってはあるかと思います。



ただ、お湯を使って、お体を洗い流されるご様子を見守っていただく時間を通して、ご遺族様が故人さまの痛みや悩みなども流れていくように感じてくださる方も多く、とても良い時間だと感じます。




湯灌とよく似た表現ではありますが


『古式湯灌』とは


どういったものなのでしょう?



私たちつなぐ納棺もこのスタイルを取っていますが、私たちがさせて頂いている古式湯灌は簡単に言うと、お湯を使うか使わないかの差で、内容はそれほど大きく変わりません。

(他社様は内容がわからないので、それぞれスタイルは異なると思います。)



湯灌と比較すると、


つなぐ納棺の古式湯灌でのメリットは


  • 浴槽など大きな機材の持ち込みがないため、広いスペースを必要としない。

  • お湯を使わないので、お体に負担が少ない。

  • 自宅施行の際に、大きな車やホースをつないだりがないので、近所に気にされない。

  • 費用の負担が少ない


デメリットは特に上げるようなものは思いつかないのが正直なところ。


一度湯灌に立ち会われている方で、お湯を気持ちよさそうと思ってくださってる方には、もしかしたら、物足りなさを感じる方がおられるかもしれません。



どちらにせよ、



そもそも湯灌の儀式というのは



古来から、ご家庭においてお亡くなりになられた方のお体を、『逆さ水』というお湯をご用意し、そのお湯で、体を家族で拭き、ご生前にお持ちになられていた、悩みや苦しみや、痛み、悲しみ、いろんな思いを洗い流し、身も心も穢れを払うという意味合いでされていたものになります。


地方によっては、お寺に、畳を上げて、湯灌を終えた逆さ水を床下に捨てるための工夫をしてある湯灌場もあったと葬儀の歴史の資料で見たことがあります。


*逆さ水とは、お水を先に汲み、そこにお湯を足すという方法でご用意するお湯となります。なので、よく年配の方に、白湯を作るときなどにはお湯が先!と言われた方もおられるかもしれません。



本来日本で行われていた湯灌は、今でいう『古式湯灌』と呼ばれているものに該当します。


今は、湯灌と呼ぶと、お湯を使ったシャワー入浴を湯灌と呼ぶので、あえて古式湯灌という名前で区別しているようです。



それはわかったけど、納棺師自体、必要なのか?と思われた方は、過去記事をご参照ください。



最後まで読んでくださりありがとうございます。



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